2014年8月18日

しろがねの花野の裂け目川と呼ぶ

メーカー :Aurora
名   称: 80th Anniversary, Red、限定 1704/1919
ペン先  :18K, M
軸など  :シルバー925、レジン(ボルドーレッド)
吸入方式 :吸入式(リザーブタンク付)
購入日時 :2010/7/30

8.18

1919年に創業されたアウロラは1994年の75周年以来5年ごとに記念万年筆を世に送り出してきた。75周年はゴールドプレートの荘重なものと後にプリマヴェーラ等の色違いのシリーズにつながる赤いアウロロイドの小さなペンの2種類ある。80周年はここに示したシルバーのギョーシェ模様と落ち着いたボルドーレッドのレジンの組み合わせが美しい大振りのペン。85周年は赤いアウロロイドをふんだんに使い首軸やキャップトップ、クリップなどを純銀で締めた美しいペンで、先に挙げた4つの海シリーズにつながる形状。90周年というペンは特に存在しないが4つの海シリーズの1本目であるマーレ・リグリアがそれに当たるとされる。

このように記念万年筆を出すたびに新しい境地を開いてきたアウロラが90周年に新機軸を打ち出さなかったのはちょっと残念。今年は95周年なので何かサプライズがないかと期待している。それはさておき歴代のアニバーサリー・ペンではこの80周年だけがシリーズにつながらない孤高の1本という趣き。『華麗なる万年筆物語』の著者がモーツアルトのオペラ『魔笛』に登場する役柄にちなんで「夜の女王」と名付けていたのが印象的、真に言い得て妙であると思う。

ギョーシェは時計の文字盤などに施される波状の連続した模様のこと。この80周年ではシルバーの軸の表面にびっしりと彫られており、大振りの85周年と比べても一回り大きいそのサイズと相まって圧倒的な存在感を生んでいる。キャップリングのデザインも古風で格調高い。