2014年8月22日

秋天へ伸ばす煙突息づく家

メーカー :Pelikan
名   称:Spirit of Gaudi, 限定 276/1000
ペン先  :18Kロジウムコーティング, M
軸など  :樹脂(黒)、スターリングシルバー、カサ・ミラ(ペドレラ)屋上の奇妙な形の 煙突塔 を再現した合金のケース入り
吸入方式 :吸入式
購入日時 :2008/9/6

8.22

 人物を記念した万年筆は数多い。モンブランの作家シリーズやパトロンシリーズは有名であるが、単発でも各メーカーが様々な人物へのオマージュを籠めてペンを捧げている。

 アントニ・ガウディは言わずと知れたスペイン、というよりカタルーニャの建築家。19世紀末のヨーロッパを席巻したアール・ヌーヴォー芸術のバルセロナ版としてモデルニスモという運動があり、彼はその代表選手とされる。産業革命を経た都市の経済力を背景に曲線を多用し、装飾性を重視したという点では他の国のアール・ヌーヴォーの流れ(イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動、ドイツ・オーストリアのユーゲント・シュティールやウィーン分離派など)と共通している。ただガウディの建築には時代や地域を超えた魅力がある。

 彼の設計した建築はバルセロナとその周辺に多く残されており、筆者もかつて旅行した時に4箇所ほど巡ってきた。中でも1882年に着工し設計者のガウディの死後もまだ完成せず建築中のサグラダ・ファミリアは圧巻。観光客からの収入が増加したおかげでガウディ没後100年の2026年には完成するそうだ。このペンの軸はカサ・ミラ(別名ペドレラ)という建築物(現在4家族の住む邸宅)の門の模様をかたどり、容器は屋上にある宇宙人のような煙出しを模したもの。