2014年8月24日

蟋蟀の貌映りこむサキソフォン

メーカー :Delta
名   称:Adolphe Sax, 限定 750/814
ペン先  :18K, M
軸など  :レジン(黒)&バーメイル
インク付革ケース、アドルフ・サックスのサキソフォン設計図
吸入方式 :サイドレバー吸入式
購入日時 :2008/11/13

8.24

8.24(2)

アドルフ・サックス、即ちサキソフォンの考案者を記念して作られた万年筆。筆者は余りジャズを聴かないがクラシックや吹奏楽にも欠かせない楽器だ。真鍮でできているが構造上木管楽器に分類されるという。活躍する曲としてはガーシュインの『ラプソディー・イン・ブルー』やラヴェルの『ボレロ』くらいしか知らないが、J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲を清水靖晃がテナー・サックスで演奏したCDは実に素晴らしいものであった。今でも筆者の愛聴盤になっている。

 デルタの限定万年筆にはつねに1Kと1KSの2種がある。アドルフ・サックスでは最大のセールスポイントである吸い口の形をしたキャップは共通だが1Kでは黒い軸に描かれているだけの指孔が1KSではゴールドプレートに穴を穿つ形になっている(写真下)。

 ところでサキソフォンと聞けば思い出すのが摂津幸彦の「荒星や毛布にくるむサキソフォン」という俳句である。確か岩波新書の『俳句という愉しみ』のための句会で発表されたと記憶する。あの本は初学の筆者にはとても刺激的であったがとりわけこの句の印象は強烈だった。