2014年8月27日

澄む水の底へアボリジニの指輪

メーカー :Curtis
名   称:Curtis Australia, Classic Elegance, Green
ペン先  :14K, M
軸など  :シルバー925、セルロイド(緑)
吸入方式 :カートリッジ/コンバーター両用式
購入日時 :2010/2/18

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 カーティスというメーカーのことはよく分らない。オーストラリアに本拠がありシルバーとセルロイドを使ってアボリジニの模様などをデザインに取り入れた魅力的なペンを作るメーカー、ということしか知らない。たまたまネットで見つけて衝動買いしたが日本には取り扱っている店はほとんどないようだ。その意味では希少価値は高い。

 日本は東方見聞録には黄金の国ジパングとして言及されているが現在では掘り尽くされてほとんど底をついた。金で言えば奈良の大仏の造営を支えた陸奥の金、これは奥州藤原氏の経済基盤ともなった。戦国時代から江戸時代にかけては信玄の甲斐の金山や佐渡金山などが有名。銀の方は石見、生野、佐渡などが知られ、とりわけ戦国時代から江戸時代の産出量は一時世界の3分の1にも及んだと言われている。

 オーストラリアは現在銀産出についてはペルー、メキシコ、中国に次いで世界第4位、約9%を占めるそうだ。ヨーロッパ人と出会う前から原住民であるアボリジニの手によって銀製品が作られていた。カーティスはそういった伝統の上に斬新なデザインの万年筆を作り出している訳だ。

 クラシックシリーズと名付けられたラインナップでは軸の独特の曲線が優雅である。深みのある緑や青、茶のセルロイドは覗き込むと吸いこまれそうな色合いの変化を見せる。それに何より胴軸とキャップに巻かれたシルバーのリングに施された模様の奇抜で洗練されていること。これらは皆アボリジニ芸術から想を得たものだという。