2014年9月21日

木犀や鏡の中にさす夕日

旅が終り、私はようやく現実を見ようと思い、幻想を捨てることから始めた。目の前にある、信じられそうなものを頼った。
どうしようもない自分が見えてくると、苦しい日々がはじまり、終らない。
幻想は自己防衛の本能に従い、記憶を断片化し、意味を断ち切る。20代の日々は思い出すことが難しいものとなり、私はいま現在形でしか文章を書けない。私は赤子のように叫ぶか沈黙するか選ばざるをえない。