2011年6月24日

世界の終はりに蜂蜜の残りけり

蜂の世界について大きな勘違いをしていた。

一匹の女王蜂に従って、大多数のオスの働き蜂が懸命に働いている、
という構図を勝手に思い浮かべていたが、
調べてみると、ハチの世界では95%がメスの働き蜂らしい。

オスは子孫を残すためだけに、
ある時期に女王蜂から産み落とされ、
図体はメスよりも大きいくせに、
大して働きもせず、巣の中を徘徊。
交尾の役目を終えると、働き蜂からは疎んぜられ、
最後は巣から追い出されて死に絶えるという。
(ある種族においては、交尾後に生殖器がはずれて絶命するとか)

しかし、改めて考えてみると、

オスがメスのために懸命に働いて死に絶える美談よりも
「オス、ダメすぎるだろ」というこちらの話の方が
何となく実感が湧くような、今日このごろ。

以下、蜂の登場する句をいくつか。

蜂の尻ふわふわと針をさめけり     川端茅舎
蜂を描くしだいに蝶に似て来たる     岸本尚毅
分銅のごと熊蜂の揺れてくる     京極杞陽
熊蜂のうなり飛び去る棒のごと     高浜虚子
巣の中に蜂のかぶとの動き見ゆ     高浜虚子
土曜日の王国われを刺す蜂いて     寺山修司
手の薔薇に蜂来れば我王の如し     中村草田男
肉皿に秋の蜂来るロッジかな     中村汀女
われ蜂となり向日葵の中にゐる     野見山朱鳥
冬蜂の死にどころなく歩きけり     村上鬼城

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です