2015年3月3日

若鮎に光ほどけてゆきにけり

鮎は上品で華奢な魚であるが、若鮎となるとより繊細な趣がある。いっぽう、急流を勢いよく上るさまには若々しい躍動感があり、正岡子規の「若鮎の二手になりて上りけり」という句が真っ先に思い浮かぶ。季題にはあらゆる性質や連想力がある。

大学進学を機に、首都圏で一人暮らしを始めて八年の月日が経とうとしている。その子規の句を鑑賞すれば、故郷を離れて上京した頃の自身を思い出す。同郷の仲間と行先が違うことに寂しさを覚えたが、自身の追い求めるものは東京にあった。