2011年6月30日

人間は滅び少女は跋扈せり
  
死ぬのが怖い。
  
暗い部屋、ひとりになった時に、
思考の隙間に死への恐怖が沁み入ってくる。
  
人はいつか死ぬ。
死ぬとは無になることだ(と少なくとも僕は思っている)。
  
どうせ僕らの生の果てが無であるならば、
どんなに美しく生きようと、
どんなに醜く生きようと、
恋をしようと、あきらめようと、
人を騙そうと、騙されようと、
すべての営みは無意味にはならないか。
  
そして、この無意味な営みの中で
いま僕が、あなたが、俳句を作る意味は何か。
  
  
以下、人間が登場する句をいくつか。
  
人類の旬の土偶のおっぱいよ     池田澄子
さらしくぢら人類すでに黄昏れて     小澤實
ヒト科ヒトふと鶏頭の脇に立つ     摂津幸彦
水仙やしーんとじんるいを悼み     永末恵子
佇ちなやむ人間といひあやめといひ     永田耕衣
下萌えぬ人間それに従ひぬ      星野立子

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