烏瓜咲くシャーマンの声宿し
玄関の引き戸を開けると、まず小さな犬に吠えられた。一歩踏み入れると、足のすぐ側に黒猫が丸まっていた。窓際の棚には、アイヌのイナウやペンダントなどの民芸品が置いてあり、薪ストーブの小さな窓から火が揺らめいていた。そして、奥の部屋から「やっと着いたね」と満面の顔が覗いた。アシリ・レラさんであった。編み物をしていたレラさんの周りの空気はどっしりと暖かく力強い、そんな存在感があった。挨拶や自己紹介など何を話したらいいか分からなくなっている私に、レラさんは笑った。
「はいはい。いくらでも居なさい。ほら、暖かいところに座んなさい。飲みたいものは好きに出していいから」