不思議な虹を皆で見る①

2015.4.30 書肆山田刊行 冬野虹作品集成 第1巻より

留守番が好きだ。子どもの頃病弱で病院によくお世話になり、小学生の頃は鍵っ子だったので留守番は得意だし、むしろ楽しい。

たまーにある一人の時間がたまらなく楽しい。

留守番の日は、まづ近くのコンビニに行く。コンビニ内を一人でうろうろすると心がすっとする。

で、昼用にカップラーメンや体に悪そうなお菓子を買う。もちろんビールも買う。

昼飲むならビールが良い。気持ちが明るくなるのだ。
一人音楽を聴いたり映像を見たり、画集をぺらぺらめくる。

昼風呂も大好きで、無駄にお湯をたっぷり使う、あぁ生きてるなぁと嬉しくなってしまう。

楽しいなぁ。

と声を出してしまう。

夕方になると、食器と風呂を洗うようにしているのは、妻が帰って来た時に、いやいや、でもね、食器は洗ったんだよ、偉いでしょ。と酔っ払ってだらだら過ごしたことのよき言い訳になるからだ。

月に一回ぐらいこんな日があっても良い。

じゃ、冬野虹さんの俳句を読んでいきます。「冬野虹作品集成 」は見た目も中身も大満足とはこのことよ、というような本になってます。俳句から読んでいきましょう。

「雪予報」より。

肉色の空落つる処ラファエロ

ラファエロが動かないってのも変な話だけど、そんな句。

玉虫の曇りておちるまひるかな

落ちる真昼じゃだめで、「おちるまひる」がもちろん良い。

夢の沼にもう誰もゐない緋の仮面

何かが起こる予感が良い。そう言えばそんな句が多いかも。

三月や麒麟の夢を指にまき

虹色の夢のようなものが指をぐるり。どういった事かなどと考えるとつまらない。

今滅ぶ寒夕焼をまとひつつ

今、滅ぶぞぉ!!と言いつつ絶対滅ばない強さがある。

ひらひらと脚のびてゐる白魚

これはすごい句ですね。生えたのか、いやいやそう見たのか、いやいや、と色々楽しめます。

花眩暈わがなきがらを抱きしめむ

あぁ、私よ。

鳥葬のごと音楽を浴び母よ

光のように音楽。厳かに、激しく。

不思議な句がまだまだ、ゆっくり味わいたいと思います。

じゃ

ばーい