戸袋の静かな息や冬の蜂
秋の砥部焼祭りの初日に、ケアハウスに住む母と一緒に出かけた。
秋空のもと、砥部焼伝統産業会館に六十の窯元の青いテントが並ぶ。
私の義兄も出品者の一人なので、毎年出かける。姉も休日返上で手伝っている。今年は、カップ二つと小さな花瓶を買った。
砥部焼の乳の色なす花瓶に梅と椿とともに活けたり 子規
義兄は以前に「生活するだけなら今は百円ショップでも揃うけど、ここを訪ねてくる人はそれにプラスアルファを求めている。機械による大量生産だったら、ここに人は集まらない。手作りという産地のあり方が砥部焼にはある」と、話してくれたことがある。
姉が買っておいてくれた蜜柑と大きな柿をリュックに入れて、タクシーに乗り込んだ。昼前だったが、もう大勢の砥部焼ファンでごった返していた。