2016年4月13日

鶴折りて即ち贈る春の旅

さらに2月7日(水)。カスカイスを経てリスボンに帰着。帰りの列車の時間まで、サン・ジョルジェ城を見物するつもりで歩き出す。結局、途中で迷ってしまい、高台の小さな公園に出たところであきらめる。テージョ川を見晴らしながら、ゆっくり時間をつぶす。帰り際になって、やっとポルトガルを去りがたく思えるようになった。
帰りの列車は、18時5分発。20時半頃、車掌さんが夕食に呼びに来る。スープにローストビーフ、フルーツとロールケーキ。テーブルからナイフやフォークが滑り落ちそうなくらい揺れる。そのうち、食事に飽きた隣の席の男の子が、椅子に隠れながらおもちゃの鉄砲をこちらに向けてきた。こちらも迫真の演技でそれに応えて遊ぶ。行きの列車の朝食はサービスだったが、この夕食は有料だった。エスクードを使い果たしてしまっていた私たちは、すったもんだの末、ドルで支払いをした。
翌2月8日(木)。朝食は、また男の子の家族と一緒だった。ひとしきり昨日の遊びの続きをする。麻里子は、紙ナプキンで鶴を折ってプレゼント。男の子は武器にしてみたりドラゴンだと言ってみたり、とにかく喜んでくれた。別れ際、母親がこのフランシスコ君を紹介してくれた。3歳で、これからパリへ旅行とのこと。
国境の町アンダイエでTGVに乗り換えて、16時25分にモンパルナス駅着。