桜貝帰りのバスを待ちながら
承前、2月13日（火）。帰りのバスを待つ間、波打ち際に出てみる。島と本土を結ぶ砂州に立って島全体を眺めたりした。帰りのバスでも眠る。
この文章は、旅行中につけていた日記を参照しながら書いている。大学ノート1冊分、各地の印象や物の値段、食べたものなど詳細に書き留めてある。出発前に本井先生から薦められ、それを忠実に守って記録したのだった。今回、連載の話をいただいて、ふとこの日記のことを思い出した。こうして15年前にタイムスリップできているのは、先生のお陰だ。
帰りのTGVの車内では、日記の続きを書いた。ボルドーからリスボン、カスカイスあたりまでの出来事、8ページ分を一気に書き上げている。進行方向と逆向きの座席だったせいで、最後は乗り物酔いしたとのこと。20時40分、モンパルナス駅に帰着。