2016年10月5日

暁の虫の音宇宙ステーション 

それに気付いたのは誕生日の前の日の夜のことだった。明日、日曜日なんだよなあと思いながらなんとなく星を見ていたら、北西の空に東の方から西の方へゆっくりと動いてゆく星のような光。最初は見間違いなのかと思った。だけれどじっと見ていると確かに移動している。目を凝らしていると時々見えなくなって、そしてまたちょっと先に動いているのが見える。「UFOがっ?」テレビでみたUFOの特集を思い出す。ニューハンプシャー州のなんとかっていう夫婦が空飛ぶ円盤にさらわれて宇宙人と接触したとか言ってた。だけれどその光は近づくこともなく無秩序な動きをすることもなくただ遠くの空を横切っていった。何日かして叔父と一緒に空をみていたらまた動く星をまた見た。「おんちゃま、あれ飛行機でねぇべ。UFOだべが」と聞くと「あれだば人工衛星だごった」と返事が返ってきた。人工衛星!自分の生活とは一切無縁だと思っていたのに、こんなふうに見えるんだ。なんだか嬉しかった。

[おんちゃま]叔父さん 
[UFOだべが]UFOでしょうか 
[あれだば人工衛星だごった]あれ(の動き方)なら(多分)人工衛星だろう