2016年10月28日

腰骨のあたりに月がひっかかる

急いでいる時に限って何かが起こる。ストッキングを慌てて履こうとすると親指でずっぽしと伝線させたり、出がけに一口と慌てて飲んだ牛乳が器官に入ってむせちゃったり、通りに出たらちょうどバスが行っちゃったり。今朝もそう。トイレから出たらもう時間がない。「ほれー、ちゃっちゃどちゃっちゃど」なんて焦って動いていたら箪笥の角にわっつど足の小指の先をぶつける。「いっでーっ!」しゃがみ込んでぶつけた所を見ると、小指の皮がべろっとめくれて血が滲んでいる。涙目になりながら慌ててマキロンで消毒し、ヒーヒー言いながら絆創膏を貼り、着替えて靴を履いて走って家を出た。走っている間に雑に貼った絆創膏が擦れて激しく痛くて涙が出る。バス停で待っていたマキに顛末を話ながらも涙がぽろぽろっと出でしまう。「このなげっつ」マキは笑いながらいうと、バスが来るのにも構わず私をベンチに座らせると「ほれー、足出して」と言って絆創膏を貼り直してくれた。絆創膏には爪を研ごうとする猫のイラストが描いてあった。

[ちゃっちゃど]さっさと
[わっつど]思いっきり
[なげっつ]泣き虫