2017年2月16日

パンジーが金網ごしに群れた黙る

プーさんに意味はない。

英才教育を受けて育ったわけでもなく、幼少期はディズニーのビデオも良く観た。今でもディズニーが好きかと言われると、少し回答に窮するが、くまのプーさんのことだけはどうにも嫌いになれないでいる。

プーさんは少年クリストファー・ロビンのぬいぐるみであり、蜂蜜が大好きなクマ。ぬいぐるみたちの日常がアニメーションで描かれるのだが、最も新しい二〇一一年公開、映画『くまのプーさん』(ウォルト・ディズニー・スタジオ)の中のクリストファー・ロビンは制服姿で個人的に衝撃だった。クリストファー・ロビンが若干大人化しているのだ。ちなみに、これまでの服装は黄色いシャツに青い短パン姿という森の雰囲気にも合ったまさに少年の格好だった。

実家の物置に眠っているであろうビデオテープの『くまのプーさん完全保存版』を小さいころに見た時のうっすらとした記憶だが、クリストファー・ロビンはプーさんに「ぼくのことずっと忘れないでいてね」と言う。クリストファー・ロビンに対してプーさんは無知な存在として描かれる。

渡戸航さんというおもしろい方が「ぼくは生き物にもわかるような俳句を書きたい」と話してくれたことが最近興味深かったことだ。航さんにとっての俳句は野に咲く一輪の花のようにあることなのだ。
誰かが忘れようとも、ある場所に咲く花のようにプーさんはわたしたちの中にあり続ける。