2017年3月2日

軽トラのなかへ春宵先んじて

窓の外にベンチというか長椅子を置いて、縁側みたいにして、そこで一緒に月を見たり、アイスを食べたりしたらどんなに楽しいだろうと思って、彼女とコーナンに行って、背もたれのない長椅子や便利そうなフックをたくさん買った。コーナンが軽トラを貸してくれたので、荷台に椅子を積んで、家路を急いだ。歩いて20分くらいの距離だから、帰りは信号で止まっても10分かからないかなと思っていたんだけど、この辺りを車で走るのは初めてで、紆余曲折というかむしろ車線変更ができなくて、なす術もなく高速に乗ってしまった。(今調べてみたら八王子バイパスかも?)そんなメインストリームを駆け抜けて、どこへ行きたいわけでもなく、ていうか家に帰りたいだけなのに、こんなことになっちゃって結構な冷や汗をかいた。彼女は、気が動転した僕が面白かったらしく、「汗、汗www」っていいながらハンカチで丁寧に拭いてくれた。それで少し落ち着いて、しかし彼女の手つきに少しだけ興奮して、「ちょっと手で顔を触ってくれないか」という謎のお願いをして、それは叶えられた。
ほどなく出口が見つかり、携帯電話の貧弱な地図を頼りに家につくことができた。すっかり暗くなってた。
結局せっかく買ったベンチは外に置きっぱなしにしていたら、すぐに汚れてしまって、あまり使うことはなかった。ただ、そのベンチは今もグーグルストリートビューで見ることができる。そして、こんな風に思い出してしまう。