2017年3月8日

目刺し食ふセーラームーン再放送

小学校6年のころ好きな女子がいた。その子は私にいつも親切にしてくれたから両想いだと思っていた。しかし、期待していたバレンタインデーには何ももらえず、彼女と私の関係に疑問符がついて、私は激しく悩んだ。
3月のある日、その子の所属する家庭科クラブでチョコを使ったらしく、「まだチョコが少しついている」と言って、チョコの包装紙を私にくれた。これがバレンタインのチョコでなくて何であろうか。私は家に持ち帰り、宝物を入れるカンカンに大事にしまって、ときどき落ち込んだときは取り出して眺めたりした。
そのカンカンはその後、正真正銘のバレンタインチョコの包装紙や異性と映っているプリクラなどをため込んでいった。その純粋な爆弾っぷりに気付いたのは、上京してからだった。もちろん同棲先に持ち込むことなどできるはずもないし、存在自体がやばい。
私はそれらをすべて記憶に保存し、処分した。

そして、今になってちょっと惜しいことしたかなと思ってしまっている。