2017年4月4日

風流の降りくる昼や春日傘

独学ではあったがずっと一人きりで俳句を作り続けてきたわけではなく、たった一人だけ俳句仲間がいたことがあった。
彼は小学生の頃からの友人で、同じ中高一貫の男子校へ進学した。
どういうきっかけでそのようなことになったのか、まったく覚えていないのだが、土曜日の授業が終わった午後に、学校の食堂で自作の俳句を見せあう会を行なっていた。句会のやり方もよく知らず、また二人きりなのでそもそも句会が成立しない。
ノートに書いたお互いの俳句を読んで感想を言い合うだけの会だったが、それなりに楽しんでいた。何をどう評価していいのかもわからず、とりあえず二人で「風流やなー」と言い合っていた記憶がある。
当時の私はとりあえず俳句と「風流」という言葉をセットのもののように考えていたのかもしれない。
雨が好きで、野山や畦道を雨のなか歩き回るのが好きだった。弟がついてきたときは弟に「雨の日は風流やなー」などとしきりに話していた。