2017年5月4日

どこへ行くつもりもあらずみどりの日

話が前後するが、俳句の特集はじつは2か月連続で、2月号には数人による座談会が掲載された。皆さん、俳句に対する意見をはっきり持っていて、これまた驚かされた。鎌倉佐弓さんは斎藤玄に関心を抱いていると発言していた。私は斎藤玄なる俳人がどんな俳句を作っているのかさえ知らなかった。
当時は、超結社の句会なるものは一部の人たちの間では行われていたのかもしれないが、私には縁がなかった。ほかの結社の知り合いなど皆無だったのである。学生時代に俳句を始めた人たちとは違い、ようやく2年目というのはそんなものだろうと思う。読まなければならない俳句がたくさんあることだけは分かった。その頃から、いろいろな俳句の本を読みだした。
ところで、この座談会には夏石番矢さんも出席していた。佐弓さんと番矢さんはここで出会い、のちに結婚されたのである。こんなオマケつきの特集で、とても懐かしい。現在ほど若い人たちがいなかった時代だが、総合誌で若手特集などが企画され始めていた。いささか、遅れてのスタートだったが、そんな流れの中の一人として私の俳句人生は始まったのであった。