2017年7月12日

海月と暮らすわたしたちのお城だった

大学生の頃、友人の家に泊まりに行って、部屋にある漫画を読んでいた。『海月姫』(東村アキコ,講談社)を読んで、シャワーを借りて、眠った。翌日、友人の家を出て、大学まで歩いているあいだ、他に人がいなくて、少し不安になったけど、大学へ着くと「台風のため休講」と張り紙がある。歩いて駅に行って、小雨のなかホームで歌を歌ってやり過ごした。電車は思っていたより短くて、待っていたところまで来なかった。

実写化された『海月姫』(2014, 脚本 大野敏哉、川村泰祐, 監督 川村泰祐) は、再現度がとても高い。三国志オタクのまややを演じた太田莉菜さんは『ホットロード』(2014,原作 紡木たく,脚本 吉田智子,監督 三木孝浩)でも主演の能年玲奈さんと生活することになるが、同じ役者さんだと知ったときは驚いた。それくらい別人である。

高校2年で俳句を始めて、俳句甲子園の地方大会に出ることになって、兼題のひとつが海月だった。いきものとしても季語としても、海月という字面もきれいで、海月をずっと見ていられる。