2017年9月16日

波のかたちの国境(くにざかひ)辞典かな

●泡のかたどる時間●

或る〈かたち〉を、一人で眺めるだけでなく誰かと共有したい。

たとえば泡時計。制作者の寺山紀彦によると、泡時計は時間を〈計る〉のではなく〈楽しむ〉ためのものだそう。シャボン水が下に落ちるたびに、ぽこり、ぽこり、と空気の泡が押し上がる仕組みになっています。

砂の粒子のそれと比べて、空気の泡のかたどる時間は、この上なくあいまい。動画を見ると、時間が〈軸〉と呼ばれるような現象から遠く隔たっていることがわかります。

まさしく、うたかたの日々、とはこのことに違いなく。

image : http://studio-note.com/awaglass/