2012年1月21日

新緑やまれびとまれにここで死に

シマックの『中継ステーション』は、アメリカの片田舎の一人暮らしの老人宅が、じつはさまざまな異星人たちの行き交う中継ステーションになっているという設定のれっきとしたSFだが、これについてはあまり説明も何もせず、小沼丹や庄野潤三などと並べて、ただ静かに読んでいればよいのではないかという気がしてくる。そういう小説である。


*クリフォード・D・シマック『中継ステーション』ハヤカワ文庫・1977年