2012年1月29日

「う」「お」「ん」「ち」「ゆ」「う」の形(なり)に細ゴシック体の仔猫

これは映画の主題歌しか知らなかった作品。というより、南佳孝による主題歌だけが昔テレビで刷り込まれてしまった作品といったほうがよい。
片岡義男は2,3冊しか読んだことがなく、しかもなぜか読む端から筋が記憶から消えていく。
バイクの少年が出てきたような気がする。
少女も出てきたような気がする。
仔猫を拾ったりもしたような気がする。
バーのような場所も出てきたような気がする。
最後に少年がタイトル通りの台詞を口にして、マスターに小突かれたりもしたような気がする。

角川文庫の中でもこの作家だけ背表紙の書名・著者名が明朝体ではなく、細ゴシック体だった。
それによって、今のライトノベルやBLのレーベル(スニーカー文庫とかルビー文庫)のように、この作家ひとりでひとつのサブジャンルとして認知させられていたような気もする。


*片岡義男『スローなブギにしてくれ』角川文庫・1979年