春のマナティの鼻やわらかくうれう
前略
今日は、海牛とよばれる動物たちの資料館に来ています。
あ、ウミウシではなくて、カイギュウです。ジュゴンとかマナティとか、それから、絶滅してしまったステラーカイギュウがこの海牛類に含まれます。ジュゴンというと、ジュール・ヴェルヌの『海底二万里』で、カナダ人の銛打ち、ネッド・ランドが銛を使って獲ったジュゴンを食べる場面があったこととか、ジュゴンがモデルになったとされる中国の人魚には、その肉は食べることで永遠の命を得られるという伝説のあることをふと思い出すのですが、ジュゴンにしろマナティーにしろ、当時はともかく現在では絶滅危惧種として保護されている動物です。
海牛類の動物はどれも、大きな鼻と小さな目がとても愛くるしいのだけれど、肉や皮などを目当てに乱獲が進んでいて、そのことを思いながら彼らの顔を見ていると、なんだか切なくなります。
それでは、また明日。
草々
3月25日
“マナティKiss”より
福田若之