2012年6月2日

菜の花畑国旗に十字走りたり

「日本人は草原に弱い」とは、同じくスウェーデンに留学している日本人学生の言葉である。先週は彼らとスウェーデンの大学生とキャンプに行った。一面に広がる草原、菜の花畑やたんぽぽが目に眩しい。

最近のストックホルムの気温は20度を超え、半そでの人も半分くらい出てきた。しかし4月まではたまに雪が降っていたのだから、この変容ぶりには驚きである。

とにかく、北欧は森と湖の国である。僕は都会生まれで、俳句を作り始めたときも自然との距離感、季語との触れ合い方がよくわからなかった。今も声を大にしてわかっているとは言えない。田舎生まれの人が語る、野原で遊んだり、ザリガニを捕まえたりした経験が、僕には数えるほどしかない。

「青少年自然の家」というものが日本にはある。キャンプを楽しむ家族や運動部の合宿などに使われる、国の施設だ。スウェーデンには、今のところそういうものを見たことがない。各々、自力で自然を楽しんでいる印象である。

青少年自然の家は、「野外活動、自然探求等を通じて、規律、協同、奉仕などの尊さを体験的に学習させるとともに、豊かな情操を培い心身ともに健全な少年の育成をはかる」ことを目的にしている。

<自然=大切にしないといけない>という図式は、論理的に説明できるものではなく、有無を言わせないくらい力をもったものかもしれない。今の僕には、その図式を体験的に理解しているという強い自信がないから、田舎出身の人を羨ましく思ってしまう。

自然に触れるという経験を22歳のいま「取り返す」ことと、22年間、僕が「都会で何をしてきたか」を考えること。この二極を、俳句という形式の中で思考し、具現化して行けたら、と思っている。