2012年6月13日

草笛やサルエルパンツ地を擦れる

スウェーデンでどれだけ友達を増やそうと、俳句においてはさすがに孤独だった。しかし、俳句とスウェーデンとの接点も存在する。国際俳句である。スウェーデンの高校ではポエムの授業で俳句を教えることが多々あるらしい。(カリキュラムなどについては未確認)とにかく、「俳句」というキーワードに関する団体・人物を、現在、しらみつぶしにあたっているところだ。ホットな話題では、去年のノーベル文学賞を受賞したトーマス・トランストロンメル氏。彼は「俳句詩」を書いており、僕が来瑞した時の書店の売り上げ一位は氏の詩集だった。もちろんスウェーデン語なので読めない。

スウェーデンにも俳句協会が存在する。今、僕の手元にある唯一の句集は、協会の創立者でもあるスウェーデン大使ラルス・バリウェ氏の『冬の月」である。(四カ国語翻訳である)好きな句をスウェーデン語と日本語でいくつか引く。氏は来ないが、月に一回の定例会議・句会にお邪魔している。

tre kilometer kvar

när joggaren tänker

på strykjärnet

残り3キロ

ジョギングの人

アイロンを思い

en gaffeltruck

blinkar sig tyst igenom

den fyllda plattformen

プラットフォーム

群衆すり抜ける

フォークリフト

blindkäppen

slår på den avhoppade

cykelkedjan

盲人の杖

壊れた自転車のチェーンを

こつこつとたたく