2012年6月22日

熱砂踏む金貨に彫られたる孤島

(承前)
スウェーデン人は他のヨーロッパの国の人と比べて英語が上手い。若者も老人も発音がクリアで聞き取りやすく、淀みなく話す。その理由の一つは、国営放送に英語専用のテレビチャンネルがあることだ。基本、そのチャンネルでは英語のドラマが放映されていて、字幕にスウェーデン語がついている。

また、人口900万人ほどの小国だからこそ、マーケットが限られており、人々は英語が使うことで就職の幅を広げようという意識が強い。実際に友達が働いている企業は中小だが、公用語は英語だと言っていた。英語さえあれば、生きていける。だからこそ、スウェーデンには海外からの移民が20%もいるのだろう。電車の中で英語が聞こえる機会も多い。

翻って、日本は日本語だけで暮らしていけるという事実が、当たり前のようで実はすごいことであるということに気づかされた。俳句について言うならば、僕達はアジアの端の国で、世界的に使用人口の少ない言語を使いながら自分たちの中だけで俳句を楽しんでいる。でも、そんな未来はいつまで続くのだろうか。(つづく)