2012年6月27日

バンズよりはみだす肉やサングラス

僕は去年の4月から8カ月、マクドナルドでアルバイトをしていた。地区で1・2を争う忙しいお店だった。合理化されたシステムを垣間見たいという興味本位だったが、実際に働いてみると先輩たちはホスピタリティに溢れ、お客様から見えない部分の仕事にも熱い人ばかりで、短い期間だったが、自分も店に対して誇りを持つことができた。他店に行ってもクルーの動きをついつい分析してしまう。だから、海外留学において世界のマクドナルドを見ることは、僕が一番わくわくしていたことの一つだった。ところが、ストックホルム中央駅店の無愛想なクルーの対応には唖然とした。クルーがお辞儀をするのは日本だけではなかろうか。

先日、カウチ・サーフィンで僕の家に泊まりに来たリトアニア人25歳のシャルはコンピュータ・エンジニアなのだが、「僕はエンジニアだからこそ、文明と非文明のバランスをいつもとるように考えている。だから都市と美しい自然が共存するスウェーデンに観光にきたのさ」と言っていた。その言葉を体現するかのように、僕がシャワーからあがると、シャルはパソコンで僕が紹介した久石譲の「summer」を繰り返し聞いていた。僕は、マクドナルドは現代文明のひとつの象徴だと常々思っている。クルーはそれぞれの生活のために懸命に働いているわけだが、なぜだろう、ハンバーガーを食べるたびに、何かを失っているような気がして煮え切らない気持ちになる。

ちなみに、スウェーデンのマクドナルドはデザイン・店ごとに内装が非常に凝っていて、イートイン・スペースの雰囲気はとても心地いい。光を贅沢に使っている印象がある。