2011年6月2日

被災地の美少女象を連れ歩く

象が初めて日本にやってきたのは1408年(応永15年)。
スマトラ島からやってきた南蛮船により、
当時の将軍・足利義持への献上品のひとつとして渡来したとされる。

それから600年。僕達は上野動物園で象の悠々とした姿を眺めることができる。
最近は新参者のパンダに圧され気味のようだが、やはり動物園のエースは象だと思う。

伊藤若冲に「白象図」という作品がある。

象というと長い鼻、大きな耳、巨大な体躯を表現すべく、横向きの絵を思うが、
若冲の「白象図」は象の全体を真正面からとらえる。

集中する象の実在感。

絵と向き合うと、身震いさえ覚える。

以下、象の登場する句をいくつか。

火事の雲巨象のごとく町を去る     津久井健之
傘の下から象につながる鎖見る     林田紀音夫
恋人に近づく冬の象の鼻     皆吉司
あたたかや鼻巻き上る象の芸     吉屋信子

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