2012年7月17日

かなぶんにかきいだかれし指の腹

世界像

哲学者にして数学者、粗忽者にして最古の宇宙論者であるタレスに話を戻そう。タレスの宇宙は水の中に浮かんでいる。太陽系は広大無辺な水のまん中に浮いた半球形の泡であり、中には空気がつまっている。平らな円盤の地球は泡の底の方で水の上に浮いている。天球の彼方、星が固定された仕切壁のその向こうではまた無限に液体がつまっている。
ジャン=ピエール・ランタン『われ思う、故に、われ間違う』 丸岡高弘訳 産業図書・1996年 p7

よくぞこんなに突拍子もない世界像を考えなすったものだと、感心しますよね。本気だからこそ、生まれ出た奇想。