晩夏かなヘリコバクターピロリかな
日本
日本には四季があって……という文言は、俳句世間でわりあい目にします。それはそうなのですが、「それって、日本だけじゃないし」と受け流します(経験的に言えば、そういう書き出しの記事や本は、読んでも時間のムダです)。
「島」には色々な意味がある。たとえば、島=孤立というのはひとつの解釈にすぎない。島こそは、大地の目ともいうべきで、大海によって世界中の国々と親密に結ばれている、という解釈もある。情報や物品の交流が難しく遅れる傾向が著しいのは、むしろ land-locked、陸地に囲まれた〝盲目の島〟の方ではなかろうか。とくに鉄道もなかった時代にはランド・ロックド地域の孤立はひどいものだった。
ロビン・ギル『反日本人論』工作舎・1985年
なるほど、「島国」の文化とは、じつは進取の気風に富み、混血的(クレオール的)なのかもしれません。
ロビン・ギルさん(敬愚さん)は「週刊俳句」にも寄稿してくれたことのあるフロリダの俳句愛好者です。ギルさんのこの本は、日本滞在中に書かれたもの。事実に基づかない、また論理の破綻した俗流日本文化論、俗流比較文化論が、いかに多いか、同時にいかに盲信されているかがわかるという意味でも名著。必読です。
俳句を語るとき、「日本文化」を大仰に持ち出す書き手がたくさんいらっしゃるようですが、通俗的で図式的な文化論(要するに単なる間違い)にすっぽり嵌まり込まないよう、ちょっとした注意、自制が必要ですね。