2012年9月1日

汝が声や春の岬は風の中

4月のある日、沖縄から電話があった。俳句甲子園OBで古くからのお友達、本木隼人くんからだ。
「紗希さ~ん、こんにちわ~、お元気ですか?」ノンビリした調子は変わらない。
「実は『俳句in沖縄』が今年は第10回を迎えるんです。夏に沖縄、来ていただけませんか?」

俳句in沖縄 ブログ

「俳句in沖縄」は、沖縄で行われている俳句大会。一般の部の事前投句、俳人による講演といった一般的な俳句大会の内容に加えて、高校生が俳句を使ったチーム戦で勝ち抜きトーナメントにチャレンジする「俳句ディベート」(俳句甲子園の形式を思い浮かべてもらえれば)や、高校生にかぎらず子どもたちが参加できる「俳句ボクシング」(一人でエントリー、俳句の出来とそのアピールタイム一分の鑑賞で勝敗が決まる勝ち抜き戦)などが開催される。若者も楽しむことのできる、ユニークな大会だ。

私が高校を卒業した翌年に、第一回の「俳句in沖縄」が開催。私も、そのとき松山東高校のOBとして沖縄に招待してもらい、俳句ディベートの参加者の一人になった。あれから十年か、早いなあ……。ひとり感慨にふけっていると、電話の向こうから本木くんの声。
「…で、いかがですか?」
「あ、もちろん、行く行く!」

こうして、この夏の、私の沖縄行きが決まった。