2012年9月9日

ちーちゃんと呼ばれて波に素足の子

『俳句in沖縄』のもうひとつの目玉は、俳句ボクシングだ。
俳句ディベートが参加を高校生に限っているのに対し、こちらは何歳でも参加できる。参加者は自分の俳句を発表し、壇上で自句自解してアピールする。1対1の勝ち抜きトーナメント戦なので、審査員は創作点と鑑賞点で評価し、どちらかに軍配を上げることになる。つまり、俳句を作って句合わせをする、個人戦なのだ。参加者は幼稚園生から中学生まで十人ほど。みな、自分のことばでしっかりと俳句を作っているので驚いた。

中でも溌剌として目をひいたのが幼稚園生の女の子。みんなに「ちーちゃん」と呼ばれていた彼女が作った俳句がこちら。

めひるぎにかたまるふたばかくがによ  勝連千慧

一読、意味をつかむことができないのだが、舌の上で言葉を転がしていると妙に気持ちがよく、呪文のようだ。ちーちゃんの説明を聞いて、ようやく意味が分かった。「めひるぎ」という木に、「ふたばかくがに」という蟹が集まってきているという情景を詠んだらしい。めひるぎ、ふたばかくがに、固有名詞の不思議な力が働いている。

ちーちゃんは決勝まで残ったものの、最後の対決で負けてしまった。自分が負けたことに気付いたちーちゃんはがっくりと肩を落としてしまったのだけれど、司会者が「ちーちゃんすごいね、準優勝だよ」というと、ぱあっと顔が明るくなり「やったあ!」と飛び跳ねてくれた。みんな、本当に明るい気持ちになった。