やらなければならない原稿は全然進まないし、外は暑い盛りでみんみん蝉が鳴いているし。
この二つの景をつなげる「で」という強引な措辞が、焦燥感を際立たせている。
それでいて、この情景をただただむしゃくしゃイライラするという単純なものにはせず、
眩しさも湛える「白紙」や、どこか柔らかな抒情ある「みんみん」という言葉を使って、
夏の終りも近づいている切なさや茫然とした思いをも表現している。
「白紙の夏」(『紫雁 第11号』開成学園俳句部 紫雁俳句会、2013.9)より。
第16回俳句甲子園において、開成高等学校Aの優勝を決めたのが掲句。個人賞の入選句にも選ばれています。