てんてんと森の血のごと蛇苺  堀本裕樹

「森の血」、素敵な詩語。てんてんと血があるところから、手負いの神がいるのではと想像が広がる。けがを負った森の神が、血をしたたらせながら森の奥ふかくをめざし歩いていった、今頃は泉のほとりに倒れこんで傷をいやしている最中かもしれない。地に落ちた血は、蛇苺へと姿を変えて、それが今眼前にあるこの風景なのですよ、というような……。

「梓」2013年10月号より。