弟と名乗れる月下美人かな   関悦史

「月下美人」の花を見ていると、花が自分は「弟」だと名乗ったという。
美しく挑戦的でいて儚げな「月下美人」と「弟」の取り合わせの妙。
同じ作者に「小鳥来て姉と名乗りぬ飼ひにけり」という句もあり、
対比するとより危うげな「弟」が見えてくる。(それにしても不思議な家族)
また花と性愛は近しいものであるが、掲句にもそれが感じられるだろう。
具体的な性愛の様子を描写するよりも艶めかしく、こじれていて切ない。

BLな俳句③「触手」(『ふらんす堂通信138』2013.10)より。