シャッターの音の眩しさ枯木立 堀下翔

昨日にひきつづき、「里」2014年1月号特集「堀下翔十八歳八十句」より。

カメラ越しの世界は光にあふれ、きらきらと輝いている。しかし、見えている景色を直接「眩しい」と形容するのではなく、シャッターを押したカシャッという音が「眩しい」ということで屈折が生まれ、「世界は眩しい」という解への道のりが生まれ、詩が生まれた。それに、たしかにあのシャッター音は「眩しい」という感じがする。
そして、季語の枯木立が、カタルシスを与えてくれる。シャッター越しに見ていたのは、枯木立のある冬のがらんとした風景だったのだ。枯木にあつまる光。風景に漂う光。思わずファインダーから目を離し、肉眼でその眩しさを捉える。