産業革命以来の冬の青空だ   福田若之

「産業革命」といえば、18世紀なかばから19世紀にかけて起こった産業の変革のこと。
そんな昔の空のことなどきっと記録にはない。けれどもちろん、青空の日もあっただろう。
工業化の象徴としての煙突の煙が空へともくもくあがり、
以前に比べ人は空を見る余裕もなくなっていた、かもしれない。違うかもしれない。
それでもこの句は、この空を「産業革命以来」のものだと断言するし、
どこか無機質でがらんとした「冬の青空」が、ただただ強くそこにあるのだ。

「悲しくない大蛇でもない口が苦い」(『クプラス 第1号』クプラスの会、2014.3)より。