確かに、秋の空は高く、寒くもなく暑くもなく、快適に自由に動くことができそうだ。『枕草紙』にも「秋は夕暮」とあることから、午後の方が、変わりゆく自分の姿も楽しめるかもしれない。「よし」のリフレインがあまり新鮮味はないが、内容の穏やかさというか、だれでもなるほどと言えるものであるので、テンションがあっているのではないだろうか。ただし、「乙女心と秋の空」と言うほど、秋の空は天気が変わりやすい。他の雲にとらわれて自分がなくなってしまわないように、気を付けなければならない。
句集『さみしき水』(2012年 ふらんす堂)より。