あかときの夢に色あり龍の玉  白取せち

朝方に見る夢が、モノクロではなく、色のある夢だった。明るくなってくる外界の刺激を眠りながらに受けているのだろうか。はっと目覚めた朝日の白色に、意識が拡散してゆく感覚。「龍の玉」の深い青から、色ある夢とはいえ、派手な色彩ではなく、落ち着いた静かな色だったのでは、と想像される。

「鷹竜ヶ崎三十周年記念誌」より。二年前に霞ヶ浦・牛久沼を一緒に吟行させていただいたみなさん、そのときの記事もあり嬉しかった。以下、各人の句から一句ずつ、惹かれた句を。

花びらを肩に歩きぬ人の中 小宮光司

ポスターの水着が眩し田舎駅 徳丸美知子

毛糸編み紅白歌合戦を聞く 芳住久江

水団に炬燵囲みぬ戦中派 半田健市

芋の葉を打ちて玉なす日照雨かな 石井進

尼寺の鯉をみてゐる素足かな 矢矧菜穂吉

遅霜の天気予報やカレー食う 竹前光男

嫁に聞くピザのレシピや春炬燵 遠藤奈美子

悪友と汁の浸みたるおでんかな 宮本秀政

白鳥や耳をふさげば平和なり 吉川典子

図書館の受付にある団扇かな 多田芳子

雑草は土を選ばず鰯雲 成瀬節子

水槽の水草伸びる稲光 中山美恵子

菜の花と化したる蝶や退院日 高野章子

水門の鎖噛みゐる厚氷 清水正浩

梨食ふや虚栄の国に放射能 矢野しげ子

バリカンに油吸はせる大暑かな 井原仁子

一時間一本一両桜咲く 高嶺みほ

燃え尽きしものに形や秋初 山崎龍子