さくら、ひら  つながりのよわいぼくたち   福田若之

ひらがな、句点、空白。視覚的にも、不安定で軽やかでさみしい。
一方、無防備であることを見せるのは自信のあらわれでもあるだろう。
それでも。
この演出されたさみしさの中をも、桜の花びらは優しく過ぎてゆく。

「302号室」(『俳コレ』邑書林、2011)より。