明日のこと画鋲で止めて花曇   山田露結

「明日のこと」をコルクボードにピッとする。
地図やチケットだろうか。お花見の買い出しリストかもしれない。
前日になって貼るのだから、ささやかなこと、もしくは単純に習慣なのかもしれないが、
きっと、もちろん、それなりに大切な明日なのだ。
「画鋲」のつめたい光と、「花曇」のあたたかな影の対比もあざやかな一句。

「夢助」(『俳コレ』邑書林、2011)より。