日輪にひびきてとべる薔薇の虫   飯田蛇笏

強い陽射しの中、薔薇から飛び立つ小さな虫。
単純な太陽や朝日などではなく、「日輪」とすることによって、
太陽の光や熱だけではなく、丸さがよりきわだち、
響くごとく飛ぶこの虫を受け止めるような包容力すら感じられる。
薔薇にいる虫を「薔薇の虫」と言ってしまうのも面白い。
イ音でそろえている前半の助走感が楽しい一句。

『山響集』(『飯田蛇笏全集 俳句Ⅱ』角川書店、1994)より。

勉強会のお知らせ。→第138回現代俳句協会青年部勉強会「蛇笏・龍太再読 風土詠を問う」