夕涼やウクレレのごと赤子抱き  前北かおる

ウクレレのサイズ感で赤子の大きさもわかるし、ウクレレというのんびりした楽器を抱くように赤子を抱いている気持ちは、とてもゆったりとしていて、まさに夕涼の時間の心地よさを感じさせてくれる。赤子の泣き声も、夕涼の時間帯には、楽器の奏でる音楽のように、穏やかな心で聞けるのかもしれない。

第二句集『虹の島』(ふらんす堂 2015年12月)より。