月涼し研究室のマグカップ  兼城雄

まさにまさに。研究室に、マグカップ、ありそう。グラスでも湯呑でもなく、マグカップ。私の大学時代の指導教授の部屋にも、赤いマグカップが備わっていて、よく紅茶を入れてゼミを行ったものだった。
この句の主体も、「月涼し」だから、コーヒーや紅茶をたっぷりと淹れて、それを飲み飲み、夜が更けるまで研究に打ち込むのだ。

角川「俳句」2016年6月号・精鋭10句競詠「眠らねば」より。