手をつないでやらんでもない水たまり  御中虫

週刊俳句229号10句競作「雨」より。
なんというツンデレだろう。上から目線がたまならい。
少し大きめの水たまりで、自分は先に越えたから、後から来る人のために手を差し伸べる。自分で想像すると恥ずかしくもある。しかし、実際手を差し伸べらる事で、水たまりが越えやすいかというと、必ずしもそうではない。むしろ、体重をかけられる、水たまりの淵にいる手を差し伸べた人を巻き込んで、水たまりに落ちる可能性がある。これは、ただ、無事に越えたいというより、少し一緒にはしゃぎたいという気持ちの方が大きい句だろう。
発表された句がすべて濡れていた。