手のひらに雪降り積もることもなし   山田露結

降る雪に、手のひらを差し出す。冷たさに少しドキリとしつつ。
手ではなく「手のひら」としたところが丁寧であり、雪のひらひら感も感じられる。
雪を溶かしてしまう自分の体温。自分は温かい存在なのだということに向き合っている。
そのあたたかさはとても幸せなことであるはずなのに、さびしい。

「彼方からの手紙~Love Letter From KANATA~ 創刊号」(2011.11)より。詳しくはこちら