鞄より椅子とりだして薔薇の前  山西雅子

え、椅子!?鞄から?と二度見したくなる。折り畳みの小さな椅子なのだろうが、それでも鞄から出てきたら驚く。鞄に椅子をしまって出かけるほどに、薔薇が美しかったのだろう。一度見かけた薔薇を忘れられず、もう一度ゆっくり見に行こうと出かける生活は豊かで穏やかだ。薔薇の豊かさと合って、とても魅力的になっている。

『俳句7月号』(角川学芸出版 平成24年6月25日発行)より。