誰に話しかけているのだろうか。「脚が長いの」の脈絡のなさから、寝言のようでもある。アメンボの脚は確かに長いので、「将来」という語を先に出されると、その脚の長さがひょろひょろと頼りなく不安定に見えてくる。
昨日に引き続き、藤後左右。第三句集『新樹ならびなさい』(平成元年)より。
案外、この作風から盗めるところは多そうだ。とんちんかんなことを言っているけれど、非常に多くの口語俳句のパターンを試している。「泡になって冬の波が曳く嫌いだよ俺」「祈る感じで太いわらびを握ってた」「万葉植物の説明書を読むひまがありますか」……口語俳句は自由に作るものだと考えている人もいるかもしれないが、口語俳句にも文体やパターンは必要で、その開拓者として、おざなりにしてはいけない人ではないだろうか。